加藤二三子さんの宿|長野県松本市・白骨温泉
わあ、すごい。湯船へ近寄って、うっとりと眺めてしまった。湯船の淵が白いオブジェのようになっている。青白い濁り湯の温泉が、まるで大きな塊のようになって盛り上がり白い湯船から大量にかけ流されていく。
泉質は、含硫黄-カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉。温泉成分が石灰華となって天然のアートを創り出す麗しき風景だ。ひとたびこの温泉に入ってしまうと気持ち良くて出たくない、でも、ぐんぐん血が巡ってすぐに汗が噴き出してくる不思議な魔力を持つ温泉だ。
古民家を移築した趣のある部屋、上品な和室のたたずまいに、どっしりとした太い梁。女将の加藤二三子さんが気に入って取り入れた襖絵と季節の花。美意識が隅々まで感じられる宿だ。
山のものしか使わない夕食は、黄金のいくら(ヤマメの卵)の前菜。淡雪のようにふんわり溶ける自家製そばがきは感動的だ。ご主人が3年熟成した自家製味噌で3時間かけて作る名物の「岩魚の笹蒸し」は骨までほろほろで、地酒との相性も抜群だ。
(石井宏子)
◆トップの画像は・・・「温泉成分が積み重なり白いアートを創り出す」
小梨の湯笹屋(こなしのゆささや) | |
住所 | 長野県松本市安曇4182-1 |
TEL | 0263-93-2132 |
URL | https://www.konashinoyu.com/ |