望月友彦さんの宿|東京都台東区浅草
だいぶ前のことになってしまったが、旅ペンの例会をこの「助六の宿 貞千代」で開いたことがある。宴会で見せてくれたのはたいこ持ちの芸だった。太鼓と三味線に合わせ、一本の手ぬぐいを器用に使って踊る。軽妙でひょうきん。誰もいない屏風の陰から、体を引かれるように出入りする技が見事で、祝儀を持たずに来たのを悔やんだものだった。
貞千代は江戸庶民文化の継承と発展を掲げる宿である。とかく日本文化を軽視しがちなこの国にあって、ありがたい存在である。柳の枝がしだれる宿の入り口には人力車を置いて、明治大正の時代を演出。20の客室は和室ばかりで、数寄屋風床の間付きの部屋もある。
そうした宿の姿勢は、館主の望月さんの考えによる。あるパーティーで望月さんの挨拶を聞いた。「○○とかけて○○と説く」の謎かけを、立て続けに3題ほど披露した。この人自身も「芸人」なのである。
宿泊記念に名入りの木札をいただいた。江戸文字の木札を、カメラにつけて盗難除けとした。
(土井正和)
◆トップの画像は・・・「魔よけ」などのご利益もあるという江戸木札
助六の宿 貞千代 | |
住所 | 東京都台東区浅草2-20-1 |
TEL | 0120-081-099 |