ふけの湯

阿部剛右（あべごうすけ）さんの宿｜秋田県鹿角市･蒸ノ湯温泉

十和田八幡平国立公園の大自然の中に位置する一軒宿。標高1,100ｍのブナなどの原生林の中にある正真正銘の秘湯の宿だ。

宝永年間（1704-10）の開湯で、長い間山中の湯治場として利用されてきた。
地熱を利用した蒸（ふ）かしの湯からその名が付いたとされる。1973年に土砂崩れで建物が倒壊したが、その苦難を乗り越えて、今は少し離れた高台の素朴な木造建物で営業を続ける。
15代目ご主人の阿部剛右さんとその母で14代目女将の恭子さんが宿を切り盛りする。

一番の自慢は、大自然の中から湧き出る湯量豊富な源泉掛け流しの良質の温泉を存分に楽しめること。浴場は、本館にある男女別の内風呂と露天風呂の他，本館前の小道を下って行くと男女別の野天風呂（屋根もかけない自然界の露天風呂）と混浴野天風呂も。

恭子さんの作る旬の山野や川の食材を使った美味しくてヘルシーな数々の創作料理も味わえる。

新緑まばゆいこれからの時期に訪ねたい、東北の秘湯である。
（大川哲次）

◆トップの画像は・・・「八幡平の大自然の中にある、ふけの湯の混浴野天風呂」