新潟県村上市で活動する「むらかみ町屋再生プロジェクト」に決定した第40回「日本旅のペンクラブ賞」の贈呈式が7月12日、村上市コミュニティデイホームで行われました。式では、中尾隆之代表会員から、プロジェクト会長の吉川真嗣(きっかわしんじ)氏に表彰状と記念の盾を贈呈。村上市の観光関係者からは、「年初から続くコロナ禍にあって、久々に舞い込んだ明るいニュース」と受賞への喜びの声が上がりました。
式は板倉あつし理事の進行により行われた。
冒頭で主催者を代表し、中尾代表会員が、「日本旅のペンクラブも、村上をご紹介することで応援していきたい」と述べ、吉川氏へ賞状と盾を贈呈した。吉川氏は、17年目に入った活動を振り返りながら、「うまくいかない時もあったが、賞をいただいたことで励みになった」と述べ、今後の活動への決意をにじませた。
表彰に続いて、吉川氏からこれまでの「むらかみ町屋再生プロジェクト」の活動報告が行われた。
20年あまり前の市街地再開発計画、今ではすっかり村上の春の風物詩となった「人形さま巡り」をはじめとしたプロジェクトのきっかけとなった出来事から現在に至るまでを時を追って紹介。
当初0台だった1年間の観光バス訪問台数が、今では約1000台を達成した活動の成果が報告された。
来賓として列席した村上市の高橋邦芳(たかはしくによし)市長は、昨年6月、市内で震度6強の揺れを観測した山形県沖地震の復興途上にある中でのコロナ禍にもどかしさを覚えていたとし、プロジェクトが行政に頼らない活動から始まったことを讃えた上で、「次世代にこのような取り組みを伝えていくことが行政としても必要である」と述べた。
一方、村上市観光協会の浅野謙一(あさのけんいち)会長は、市内の瀬波温泉で旅館業に携わっていることもあり、今回の受賞が、兵庫県・有馬温泉と競った上で、投票数を上回ったことに関心を示し、「久しぶりに明るい話題である」と喜んだ。
最後に約30名の出席者一同で記念撮影を行い、授賞式は1時間半ほどで無事終了した。
例年5月の「旅の日の会」で行われる旅ペン賞の授賞式だが、今年は新型コロナウイルスの流行に伴い、旅の日の会を中止、理事有志が村上市を訪問する異例の形となった。
人数も絞って、中尾代表会員と理事(板倉あつし、望月崇史)の3名による訪問となった。
中尾代表もNHKや新聞各社など、地元メディアの取材を受け、盛大な授賞式となった。
(文・写真=望月崇史)
※旅びと2020年7・8月より
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吉川氏に旅のペンクラブ賞の表彰状を渡す中尾代表会員