さて、先回に引き続き、西伊豆・松崎町で生み出された優れた特産品「松崎ブランド」を紹介しましょう。
我々、日本旅のペンクラブやレジャー関連の記者クラブの会員が随分と昔からお世話になっている松崎町営の宿「伊豆まつざき荘」の山地支配人、鈴木副支配人らが真面目に、一生懸命編み出したのが桜のチップを使った簡易燻製。ライトスモークとでも呼びましょうか・・・。
桜葉収穫後の廃材を有効利用
日本の桜葉漬の七割を占めると云われるのが松崎町産の桜の葉の塩漬け。その使い道は桜餅など縁起を担ぐ日本人には古くから深く愛されています。その副産物が大島桜の葉を収穫した後の枝なのです。
収穫後の枝はまだまだ細いが故、燻製の材料には最適とは言えないようですが、粉砕機を駆使してチップに、乾燥時間も様々試して実用化に結び付けました。町内岩地浦で捕れるキビナゴにフライパンで煙の香りを付け、地元産の烏骨鶏の卵で作ったマヨネーズを添えるなど、美味しく食べる工夫も周到です。
現在、伊豆まつざき荘では「松崎燻りきびなご」として売り出していますが、しっかりと脂がのったきびなごは香ばしく薫り高いと好評。みやげ物として売り出されるのも秒読み段階です。
築150年の蔵造りの古民家でもうひとつ、松崎町のニューフェイスを紹介しましょう。築150年の蔵造りの家を守りたい…。
そんな熱い思いと、「まちをもっと元気にしたい」「もっと大勢の人に訪れてほしい」「松崎の良さをもっと知らせたい」「誰もが気楽に集える場所がほしい」そして「生きがいを持って働きたい」そんな主婦たちのパワーが生み出したのが、伊豆・松崎・であい村「蔵ら」です。手作り作品販売コーナー、体験教室、ギャラリー、食堂兼カフェから構成されています。しかし、私のこれまでの経験から言わせていただくと、地元の主婦の方々の店の料理はイマイチ?
いやいや、食べてびっくりワンコイン(500円ポッキリ)の「日替わり定食」は、抜群の旨さ。先月号で紹介した「さつまあげのはやま」が材料に使っているイトヨリ鯛のすり身を自然薯と混ぜ合わせて作る、海老入りしんじょ揚げ、シソ、蕗の薹(季節で替わる)の天ぷらに、蕗味噌の付け合せ。地元産ひじきの煮つけ、素晴しいダシがでるカメノテとフジツボの味噌汁、香の物、飯で一人前。都会の料理屋なら味噌汁だけでも500円は下らない、激安極旨ご当地定食には脱帽です。
○ 伊豆まつざき荘 ホームページ
静岡県賀茂郡松崎町江奈210-1 tel.0558-42-0450
○伊豆・松崎・であい村 「蔵ら」 ホームページ
静岡県賀茂郡松崎町松崎319-1 tel.0558-42-0100