富士宮やきそばの取材旅行から程なく、富士宮やきそばと同様に焼きうどんで街おこしを企画している北九州市と勝負するというイベント「天下分け麺の戦い」が小倉城公園で行われ、この顛末はテレビを通じて全国に放映されたました。2004年には「富士宮やきそば」を商標登録をし、2006年2月に八戸市で開催された第1回B-1グランプリ
初代王者に続き、2007年に開催された第2回B-1グランプリでも王者を獲得、「富士宮やきそば」は二連覇を飾りました。これをきっかけに「富士宮やきそば」はブレイクし、多くのメディアで紹介されるようになりました。
そして2010年10月18日と19日「第5回B-1グランプリin厚木」が行われました。過去最多の46団体が参加。初の首都圏開催で厚木市および大会事務局の来場者予測数は30万人でしたが、蓋を開けてみれば予想を大きく上回る435000人と大盛況。
B-1グランプリ本大会は厚木市内で2会場、同時開催の「ロコフードフェスタKANAGAWA」(神奈川県内のご当地グルメ祭り)と併せて3会場で開催されました。それぞれの会場間は、歩いて移動する人が多く、日ごろは人通りの少ない沿道の商店も露店を出して便乗商法も花盛り。小田急電鉄は臨時特急ロマンスカー「B-1グランプリ号」を運行、県域のFM局では会場周辺の交通情報も放送、好天も味方して2日間に渡る大会は大成功だったのです。
旨いものを紹介する喜び
これまでに富士宮市にもたらした経済効果は約439億円、貧しい中にも旨いものを食べようとする庶民の創意工夫と、継続的な町おこしへの情熱が生んだ「富士宮やきそば」は2010年B-1の殿堂入りを果たし、日本最大級のフードイベントB-1グランプリの立役者となりました。
その後のB-1グランプリは、第3回グランプリ「厚木シロコロ・ホルモン」、第4回グランプリ秋田「横手やきそば」、第5回グランプリ「甲府鳥もつ煮」と続き、来年は兵庫県姫路市での開催が決定しました。庶民に夢を
届け、街の活性化にも、これほど貢献度の高いイベントはなかなかありません。文春ビジュアル文庫のB級グルメシリーズの愛読者であり、楽しみの大きなファクターを占める旨いものを求めることは、食いしん坊の私のライフワークとなりました。
今月から庶民の味方、安価で旨い「B級グルメ」と昔から各地に(局地的に)伝わる興味深い「ご当地グルメ」の数々を独断と偏見とタップリの愛情で紹介して参ります。