大丸あすなろ荘

佐藤好億さんの宿|福島県天栄村・二岐温泉

二岐温泉は、平安中期の安和2年(969)に皇位継承に敗れた宮人が川底に湧く温泉を発見したと伝えられ、今も自噴泉甌穴風呂としてこんこんと湧き続けている。自噴泉甌穴風呂は、湯船の底から源泉が湧く川床の甌穴がそのままで、引き込まれそうな迫力がある。
 
泉質はカルシウム-硫酸塩泉でpH9.1のアルカリ性、やわらかな肌触りの保湿系温泉だが、源泉温度は53.8℃あり、しゃきっとする「あつ湯」だ。夕食は、会津塗りの重箱に山の幸が詰まった前菜から始まる。暮れゆく山の秘湯の静けさを楽しみ、ぬくもりを感じる内湯に浸って布団に横になると、すぐに眠ってしまった。

新緑の露天風呂の美しさが忘れられない。渓流のずっと向こうまで鮮やかな緑のトンネルが続き、目覚めたばかりの野鳥の声、清流の水音が聞こえる。川に手が届きそうな渓流露天風呂も心地よい。子宝の湯露天風呂は、底の組石の間からもじわじわと源泉が注ぎ込み、湯船のどこに入っても適温で新鮮な源泉の恵みが楽しめる。
(石井宏子)

◆トップの画像は・・・「眩い新緑がどこまでも続く「子宝の湯」露天風呂」
 

大丸あすなろ荘
住所 福島県岩瀬郡天栄村湯本字下二俣5
TEL 0248-84-2311
URL http://www.daimaruasunarosou.com/